俺は・・・の後姿を見ていた
の隣には・・・俺じゃない誰かが居て
は肩を抱かれて・・・嬉しそうに笑っていた
俺は・・・引きとめようと手を伸ばし
の名前を・・・何度も呼んだ
それなのに・・・が振り返ってくれることは決してなくて
どんどん遠くにいってしまう
「い、行くなっ!!」
「大丈夫、どこにも行かない、大丈夫だから」
俺の口からは・・・搾り出すような叫び声が発せられ
俺は汗だくになって・・・の手を握り締めていた
「・・・俺」
「大丈夫、私はどこにも行かないから
安心して、ね・・・ここにいるよ」
「俺・・・今・・・」
「うなされてた、怖い夢だったんだね」
俺の顔を覗き込む・・・の表情が
ぼんやりと視界に映る
怖い夢
そうだな・・・おまえがいなくなってしまうこと
俺にとって一番「怖い」事なんだ・・・と思う
「大丈夫?」
おまえの問いかけに・・・俺は小さく頷いた
と一緒に暮らすようになって・・・一年
いつでもそばに居てくれる、おまえ
俺が一人だった頃は
こうして熱を出してしまった日は
・・・ただ寝ているしかなかった
「熱は・・・少し下がったね、うん、もう少しだね」
柔らかなの手のひらが・・・俺の額に触れる
その手が冷たくて・・・気持ちよくて・・・
目を閉じて、また
俺は意識を失ってゆく
あなたがうなされている夜は、今日が初めてじゃない
きっと、あなたの心のどこかに、普段は隠している何かがあるんだね
でも、大丈夫
あなたが、どんな人だって
私が選んだ大事な人に変わりは無いの
だから、覚えておいてね
あなたは、もう一人じゃない
あなたが寂しい夜は、いつもあなたがしてくれるみたいに
私があなたを抱きしめていたい
その位の事しかできないけれど
それは、私だけに出来ること・・そうだよね?
何度も氷水に入れた手の感覚が無くなってゆく
でも、そんなことくらい、何でもないよ
だから、安心して眠って
きっと、明日には良くなる・・・
気が付いたとき・・・・はベッドにもたれて眠っていた
その手に濡れたタオルが握られている
俺のこと・・・一晩中看ていてくれたんだな
まだ少し重たい頭を持ち上げると
窓の外が明るくなっているのが解かった
俺は手を伸ばして・・・の髪に触れた
「ん〜〜っ、あ、起きたの?」
「ん・・・」
「熱は?」
の手が伸びてきて、俺の額に触れる
ひんやりと感じるってことは・・・まだ熱があるらしい
「まだ熱いよ、氷持ってくる
ちょっと待っててね」
「ん・・・ごめんな」
「病人はごめんとか言わない」
「じゃ・・・サンキュ」
「病人はお礼なんか言わない」
「ん?じゃ・・・愛してる」
「あはは、それならよろしい」
サンキュ・・・
本当におまえがいてくれて・・・良かった、俺
本当に・・・サンキュ、
END
dream−menu top